作品名 |
作者 |
完成年月 |
所在地 |
作品概要 |
現地調査結果 |
写真 |
現地録音 |
土の音 |
渡辺泰幸 |
2003年 |
新潟県十日町市土市 観泉院近く |
小高い丘の上にあるレンガ張りの円いステージには、「音具」という粘土でできた楽器が並び、訪れる人が自由に音を鳴らすことができる。個性豊な図柄や形をしている音具は、作家と住民によって制作された。 |
小さな山を登り、頂上までたどり着くと作品がある。そこにはバチがおいてあり、それを手にして円形の楽器を鳴らす。球体の楽器は転がして音を鳴らす。 |
|
|
キョロロのTin-Kin-Pin-の泉 |
庄野泰子 |
2003年 |
新潟県十日町市松之山松口712-2キョロロ内 |
タワーの地下に設置した貯水井戸に滴下する湧水が水音を奏でる。季節や天気によって変化する湧水の量により、聞こえてくる音が変化する。また、発音体によりタワー内部へと音の波が伝わり、場所によって違う音が体感できる。 |
作品は、森の学校「キョロロ」の中にある。円形の金属から水が滴り落ち、水中の金属面に当たり音が鳴る。水の量により変化するため、冬は静かで夏は涼しげな音に包まれる。 |
|
|
ドロップシリーズ01 |
庄野泰子 |
1999年12月 |
新潟県長岡市宮本東方町「国営越後丘陵公園」内 |
小高い丘の長い階段を登り終わると、そこには軽やかな水音と金属音が、幾重にも鳴り響いている。 空中に設置されたいくつものテラコッタの先端からしみ出す水滴。その水滴は風に吹かれながら、渦巻き状の金属製のオブジェの様々な場所に当たって発音する。こうして二度と繰り返されることのない響きが、多彩に変化してゆく。 この当たる(当たらないことも含めて)タイミングや組み合わせは、いまそこに吹いている風が決定する。風が音の決定者、つまり即興の奏者なのである。 オブジェの間は通路になっていて、その中に入り込むと立体的に音に取り囲まれ、音から、風が刻一刻と移り変わっていくのを感じ取ることができる。 人々は風が奏でるその音に耳を傾け、音が鳴っているその場の気配に心を傾ける。 |
国営越後丘陵公園内にあるこの作品は、現在テラコッタが壊れてしまい、作品を聞くことはできない。テラコッタが特殊なためいつ修復されるかも未定である。 |
|
× |
Wave Wave Wave |
庄野泰子 |
2004年4月 |
福島県いわき市小名浜2号埠頭 |
「海のWave」と「音のWave」と「身体のWave」が交差する場 海に突き出た埠頭の先端部に設置された幅6~8m、長さ76mの網状の巨大なベンチで、その真下は海。その様々なうねりとふくらみを持った形状の上に、腰掛けたり、寄り掛かったり、寝転んだり・・・身体的にどう関わるかによって、音は様々な方向からやってきて、体を包み込む。夜は内部からのライトアップによって、そのうねりやふくらみの形状が、柔らかい陰影を生み出している。 |
福島アクアマリンの真横の海岸沿いを歩いていると小さい丘のようなWave Wave Waveがある。腰をかけたり横になり真下の海の音を身体全体で聞くことができる。 |
|
|
Umi-Tsukushi |
庄野泰子 |
2004年4月 |
福島県いわき市小名浜3号埠頭 |
海にあてた聴診器 桟橋下の様々な部位の波の音を、ホーン型の装置で集音し、それをプロムナード上に伝えている。歩きながら音を探したり、音から潮位を推測したり、ホーンの高さに合わせて体を動かしたりという「音のオリエンテーリング」の場でもある。 夜はライトアップされた各々が、実際の波の音にリアルタイムで反応して点滅する。音のリズムが光のリズムと連動し、自然界の有機的なリズムをもった光の生命体のように輝く。 |
この作品はWave Wave Waveと隣接しており、その種類は10種類ある。それぞれで海に延びる筒の長さと地上から延びる筒の長さが異なり、身長や姿勢によって真下の海の音を体感できる。 |
|
|
Wind Notation |
庄野泰子 |
2000年9月 |
埼玉県さいたま市中央区新都心3-2「ラフレさいたま」内 |
その時々に吹く風が“奏者”となって、アトリウム大壁面に設置されたパイプオルガンを奏でる。それは屋上庭園の風センサーに接続されており、リアルタイムで風速に応じて、響きが変化する。 この風によって絶えず変化する響きの中に、人はそれぞれの「音楽」を、それぞれの場所で自由に聴き出す。 風の存在やその変化を意識することの少ない都市の中で、音によって風を意識化し人々と環境との対話を促している。 また、外部空間から連続して建築内部に貫入している大壁面は、ガラスによって分断されているが、音が風という外部環境の要素を透過させることによって、その壁を「環境を透過する壁」としてデザインし、その意味を深めている。 これは、実際には環境をシャットアウトしているガラスの建築に対する、新たな透明性の提案である。この知的に構築された透明性は、新たなガラス建築の様相として、音環境デザインからの1つの解でもある。
|
簡易保険加入者施設ラフレさいたま内のエントランスから二階に上がるエスカレーターを上がり振り返るとWind Notationがある。しかし、音はでていない。フロントの従業員の人に音は出ないのか、と質問したところ、「音がでるのですか?聞いたことがありません」と回答された。 |
|
× |
Water Screen |
庄野泰子 |
1997年 |
福島県東白川郡棚倉町大字関口字一本松58[倉美館」内エントランス |
ウォーター・スクリーンは、時間・空間を切り分ける衝立として存在する。 物理的には同一の時間、同一の空間---そこに音が差し挟まれることによって、その時間・空間は、個々の体験の中で、新たに分節化(articulate)される。 筋状の水が、天井の縁に沿って一面に落下し、スクリーンを形成する。そのスクリーンによって空間は内と外に分節化される。内側の空間は、その広い音域にわたる激しい水音に包み込まれる。 やがて、ふいに水は止まる。スクリーンは消え、その先に山並と田園を望む水景が広がり、空間の内と外の境界は曖昧になる。水のざわめきが途切れた瞬間、それまで音風景の「地」であった静寂が、「図」として立ち現れ、そして覆われていた音風景が徐々に湧きあがってくる。 しばらくして池の中央に立つ柱の中に、水滴が落ちる。その幽かな水滴音が「耳を凝らす」という行為を引き出す。最小限の「建築」である1本の柱と、最小限の「音楽」である水滴が、そこに「場」を発生させる。 再び天井の縁から水滴が少しづつ落下し始め、スクリーンを形成してゆく。眼前の水景は、徐々に水滴の中に霞んでゆき、再び空間は内と外に分節化される。この時すでに耳の感性は覚醒され、様々な水音の微妙な変化を聴くことができる。 クリストによる「梱包」アートのように、一度音の環境をマスキングし、それを取り除いた時に、人はそこに何を聴くのか、を問いかけている。 |
作品は棚倉町文化センター倉美館エントランスにある。水がでていなかったので事務員に尋ねたところ、「漏水のため現在作動していない。予算の関係上修理するかも未定である。」との回答を得た。 |
|
× |
彩の国 音かおり公園 |
埼玉県環境生活部大気保全課 |
|
埼玉県さいたま市西区水判土地内 |
この施設は、音やかおりに親しむことにより、身の回りで発生する騒音や悪臭について、もう一度考えてみようという目的で作られた音・かおり環境のモデル施設である。「ささやきの壁」「音具」「かおり音の家」「足音のみち」「音の架け橋」「聞き耳の椅子」「かおりの花広場」など、ふだん気づかない音や香りが楽しめる様々な仕掛けがある。ただし、相手が自然であるだけに、十分に楽しむためには時期や時間を選び、注意深く「鑑賞」することが薦められる。 |
幹線道路から少し住宅街に入ったところにある。昼間に行ったが人気はなく、手入れもしていなそうだった。音と触れ合う遊具もあるが保存状態が悪く、公園の管理状態も悪い。 |
|
|
音の交線 |
山口良臣 |
1997年 |
愛知県岩倉市シンボルロード
|
街が都市化されていくにつれて、地下に封じ込められてしまうものがある。音の交線は覆われてしまう水路に流れる水の音を取り出して、岩倉の歴史を掘り起こすとともに、地下(=未知の世界)への興味を抱かせる作品でる。 |
格子状の金属に耳を近づけると水路の音が聞こえる作品であるが、実際には音は聞こえなかった。また、金属の中にはタバコの吸殻などのゴミが落ちていた。 |
|
× |
無題 |
渡辺泰幸 |
1997年 |
愛知県岩倉市シンボルロード |
真っ直ぐに並んだ12の金属の箱にはバチがぶら下がり、掴んで放すと音がなる。それぞれの箱には異なる切込みが入れられ、微妙な音色の変化を楽しむことができる。 |
バチを摘んで放すと音が鳴り、それぞれの金属の箱で音が異なっていた。保存状態も良好で、面白さを感じた。 |
|
|
かがみのくににようこそ |
関本幸治 |
1996年 |
愛知県岩倉市シンボルロード |
鏡のように映る作品の足元の3箇所には小さな足跡がついている。それぞれの位置に立つと、自分が2人に映ったり、1人だけだったり、全く映らなかったりする。ボタンを押すと、かがみよかがみよかがみさんと子供の声が聞こえてくる。 |
鏡の前に立つと自分がいなくなったり増えたりと、不思議な体験ができたが、ボタンを押しても声は聞こえなかったのが残念だった。 |
|
× |
風鈴の家 |
PHスタジオ |
1996年 |
愛知県岩倉市シンボルロード |
家、扉、灯篭、木蓮の木。すべてが作品である。家の中に座ると屋根の隙間からは空が見え、風が吹くと風鈴が鳴る。光の具合によっては7色のプリズムが映っているのも見える。風鈴の家は道往く人に束の間の休息の場を提供し、シンボルロードにひだと影を作る。 |
風鈴は、針金でつながれていたので音は鳴りにくくなっており、プリズムもなくなっていた。しかし、座るベンチなどが周囲にないので休息の空間があるのは良いことである。 |
|
|
音響の台座・IX |
濱坂渉 |
1996年 |
愛知県岩倉市シンボルロード |
大きな四角い石の真ん中には丸い穴が開いている。大人でも充分くぐることのできる大きさである。聞こえてくるものに注意しながら穴の中に頭を入れてみると、穴の中と外では音の聞こえ方が違うことがわかる。 |
歩道に、突然大きな石が出現するため、そのインパクトは印象深かった。石の穴と外で聞こえ方が違うのは体験できたが、一回体験できれば満足である。 |
|
|
天と地を継ぐ装置 |
牛島達治 |
1997年 |
愛知県岩倉市シンボルロード |
天空からの音と地中からの音をイヤホンを通じて両耳で聞くことができ、体の中で地球の中心から宇宙までつながっているかのように感じることもできる。雨の日には地下水に水滴が落ちる音も聞こえる。 |
雨が止んでから1時間後くらいにこの作品を見たが、雨の滴る音は聞こえず、イヤホンを通じても音の差異を感じることはできなかった。 |
|
× |
岩倉の耳 |
藤本由紀夫 |
1997年 |
愛知県岩倉市シンボルロード |
椅子に腰掛けて両側のパイプを耳に当てると、リズムのある車の音とパイプ自体の振動音とで不思議な聴覚体験ができ、目の前に広がる緑は視覚的にも面白い効果を与えてくれる。 |
椅子に腰をかけパイプに耳を当ててみても聞いてみても、不思議な感じがしなかったので、近隣の女性に聞いたところ、その女性は作品制作に関わった人で、「パイプが振動して音の違いを体験できる作品であるため、交通量が多いときの方が良い」とのことだった。 |
|
× |
風のモニュメント |
不明 |
不明 |
群馬県藤岡市「庚申山総合公園内ふじの咲く丘会館」内 |
風のモニュメントは、ふじの咲く丘を通り抜ける爽やかな風を利用し、美しいメロディーを奏でる仕組みとなっています。 |
風が吹く強さによって、作品の内部にある風鈴のような音具の音が大きくなったり小さくなったりして、綺麗な音を奏でていた。 |
|
|